道は、まだ北へ続いている。

直腸がんで、ストーマのある体になった。
仕事に戻り、バイクにまたがって、北海道を走っています。
治療のこと、暮らしのこと、写真や音楽のこと。思いつくまま、ここに書いています。
直腸がんで、ストーマのある体になった。
仕事に戻り、バイクにまたがって、
北海道を走っています。
治療のこと、暮らしのこと、
写真や音楽のこと。
思いつくまま、ここに書いています。

白老元陣屋跡、本陣の跡を歩く

たまには、目的を決めすぎずに歩いてみようと思った。
白老町の周辺マップを眺めていて、目に留まったのが白老元陣屋跡だった。名前は知っていても、何が残っているのかまでは知らない。
そのくらいの方が、散策にはちょうどいい。

水辺にいた大きなサギが、こちらに気づいたように羽を広げた。飛び立つ姿を見送り、木々の向こうへ目を移す。
そこに、橋と門が見えた。

白老元陣屋跡の復元された木橋と門復元された木橋の向こうに、門が立っている。
いかにも史跡らしい建物が並んでいるわけではない。緑の中に残されたものを、一つずつ探しながら見る場所らしい。
何があるのだろう。
それくらいの気持ちで、橋を渡った。

白老元陣屋跡の本陣跡を示す石標草の中に、ひとつの石標が立っていた。
「本陣跡」
本陣と聞くと、どうしても戦の司令部のようなものを想像してしまう。
けれど、その周囲に建物は残っていない。石標がなければ、ここに何があったのかも分からなかったと思う。

白老元陣屋跡に残る井戸跡の石組み少し離れたところには、大きな石が組まれていた。
石というより、岩に近い。
説明を見ると、井戸跡だという。
言われてみれば、円を描くように石が残っている。井戸の穴はすでに埋まり、水もない。
かつてここで誰かが水を汲んでいた。その光景は、残された石から想像するしかない。

白老元陣屋跡資料館の外観と「仙台藩白老元陣屋」の看板木々の先に建物が見えた。
入口には、「仙台藩白老元陣屋」の文字。その周囲には「幕末」「明治維新」という言葉も並んでいる。
幕末。
そうなると、頭に浮かぶのは新撰組だった。
何かあるかもしれない。
資料館へ入ろうと受付へ向かうと、まだ開館時間前だった。それでも「どうぞ」と、少し早く中へ入れてもらえた。

白老元陣屋跡資料館に展示された黒漆塗りと赤備えの鎧館内で最初に目に飛び込んできたのは、鎧だった。
黒を基調にしたもの、その隣には赤備えの鎧もある。近くで見ると細かなところまで作り込まれていて、しばらく足が止まった。
受付の方から、九分ほどの映像があると声をかけられた。
少し歩き疲れていたこともあり、椅子に腰を下ろす。

白老元陣屋跡資料館の展示室内、絵図や資料の展示展示室には、絵図や道具、さまざまな資料が並んでいた。
説明を読みながら、ゆっくりと見ていく。
派手な展示ではない。

白老元陣屋跡資料館の元陣屋全体を再現したジオラマ模型元陣屋全体を再現した模型があった。
小さな建物を目で追いながら札を読んでいくと、見覚えのある文字があった。
「本陣」
ああ、そういうことか。
外で見た、あの「本陣跡」の石標。
何もないように見えた草地に、模型の中で建物が戻ってくる。
外で見たひとつの言葉が、資料館の中でもう一度現れて、ようやく場所と形がつながった。

結局、資料館では新撰組に触れた展示を見つけることはできなかった。
土方歳三に会うには、やはり函館か。
そんなことを思いながら、出口の扉を開けた。

撮影メモ

Camera: Sony α7 V
Lens: FE 24-70mm F2.8 GM II
撮影日: 2026年8月11日

 

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