道は、まだ北へ続いている。

直腸がんで、ストーマのある体になった。
仕事に戻り、バイクにまたがって、北海道を走っています。
治療のこと、暮らしのこと、写真や音楽のこと。思いつくまま、ここに書いています。
直腸がんで、ストーマのある体になった。
仕事に戻り、バイクにまたがって、
北海道を走っています。
治療のこと、暮らしのこと、
写真や音楽のこと。
思いつくまま、ここに書いています。

Kaedear KDR-B12S|油より電気が肝

久しぶりにエンジンをかけようとして、セルが弱々しくしか回らない。

そういう経験が、これまでに何度かあった。

出先でバッテリーが上がったことは、まだない。困るのは、むしろ別のタイミングだった。

数週間、乗らない期間が続いたとき。あるいは、北海道の長い冬を越えた春。

体調には波がある。無理に乗らない日が続くこともある。

バイクの方も、こちらの都合に付き合わされて、しばらく静かに待っていることになる。

そして、ようやくまた乗ろうと思ったとき、先に音を上げるのがバッテリーだった。

こちらは、乗る気になっている。

だが、セルが回らない。

気持ちと機械のタイミングが合わないというのは、思っている以上に萎える。

安心材料は、つながらなければ意味がない

似たような感覚を、峠道でも味わったことがある。

北海道の峠道には、いまだに電波が届かない場所がある。

スマートフォンの画面を見ると、圏外の表示が出る。そういう区間が、まだいくつも残っている。

JAFには入っている。何かあれば、呼べば来てくれる。そのはずだ。

ただし、電話がつながれば、の話である。

つながらなければ、呼ぶこともできない。安心材料のはずのものが、ある場所では意味を持たなくなる。

バッテリーも、同じだった。

「なんとかなる」と思っていたものが、いざという場面で、なんともならないことがある。

誰かに助けを求める前に、自分でどうにかできることは、しておきたい。

そう考えて、充電器を探した。

コンセントがない、というだけで

目についたのが、Kaedear スマートバッテリーチャージャーPRO KDR-B12S、4,688円(税込)だった。

家庭用コンセントにつなぐタイプではなく、USB Type-C入力で動く。モバイルバッテリーからでも充電できるという。

これが、思っていた以上に都合が良かった。

自宅の駐輪スペースには、コンセントがない。

これまでは、そのことをあまり気にせず過ごしてきた。だが、いざ充電しようとすると、地味に困る。

延長コードを引くほどでもない。だからといって、何もしないまま春を待つのも不安だった。

コンセントがいらないというのは、単に手軽だという話ではない。

充電する場所を選ばなくていい。

それだけで、バイクとの付き合い方が少し変わる。

前日に、モバイルバッテリーを満タンにする

運用の仕方は、単純だ。

ツーリング用のバッグに、充電器とモバイルバッテリーを入れている。

私のバイクには、幸い、シートやカバーを外さなくても充電できる給電ポートが付いている。コードを挿すだけで済むので、作業としてはかなり楽だ。

Kaedear KDR-B12Sをバイクの給電ポートに接続する様子

前日のうちに、モバイルバッテリーを満タンにしておく。

使っているのは、残量がパーセント表示される10000mAhタイプである。数字で残量が見えるのは、思っていたより安心につながった。

出先で何か起きたときの備え、というより、今では日々のルーティンに近い。

家を出る前に、充電されているか確認する。

ただ、それだけのことだ。

それでも、何もしないよりは落ち着く。

数字で見るようになった

以前は、エンジンのかかり具合でバッテリーの状態を判断していた。

セルの回り方が鈍ければ、弱っているのだろう。感覚としては、その程度だった。

液晶に電圧が表示されるようになると、乗る前から状態を意識するようになった。

まだ普通にエンジンはかかる。

だが、数字は少し下がっている。

そういう変化を、感覚だけではなく目で確認できる。

それだけでも、ずいぶん違う。

KDR-B12Sには、パルス充電という機能も付いているらしい。

劣化したバッテリーへ断続的に電流を流し、状態の回復を助けるものだという。

正直に言えば、その効果を自分の感覚だけで断言することはできない。

ただ、数週間空けた後でも、以前よりセルの回り方が安定しているようには感じる。

少なくとも、何もしないで待つよりはいい。

大型バイクは、油より電気だった

なんだかんだで、大型バイクはオイル管理よりも、バッテリー管理の方が面倒なのではないかと思う。

軽自動車より大きい排気量のエンジンを積んでいるのに、バッテリーは限られた場所へ収めなければならない。

しかも近年のバイクには、電子制御や電装品が増えた。

エンジンをかける前から、電気を使うものが多い。

油のことばかり気にしていたが、実際に困るのは、電気の方だった。

どれだけガソリンが入っていても、どれだけオイルが新しくても、セルが回らなければ始まらない。

バイクは、まず火が入らなければ走れない。

その当たり前のことを、乗らない時間に教えられた。

峠で電波が届かないことも、乗らない期間にバッテリーが弱ることも、普段はあまり意識しない。

見えないまま進み、いざというときに困る。

どちらも、そういう類のものだと思う。

だから、備えておく。

バイクを長く休ませることになる時期も、これからあるかもしれない。

その間、バイクは何も言わずに待っている。

こちらが戻ったとき、少なくともセルだけは元気に回ってほしい。

充電器とモバイルバッテリーは、これからもツーリングバッグの中に入れておくつもりだ。

次にエンジンをかける日のために。

にほんブログ村 旅行ブログ 車旅(国内ドライブ)へ