先日、コロプラストから一冊の会員誌が届いた。
ストーマ保有者向けに発行されている、「ゆうじん|結人」である。

ストーマに関する情報は、SNSでもよく見かける。
癌になった。
ストーマになった。
そこまでの記録は多い。
けれど、その後をどう過ごしているのか。装具とどう付き合い、失敗した日はどうしているのか。暮らしの部分まで書かれたものは、案外少ない。
私が知りたいのは、むしろそちらだった。
だから、この雑誌を取り寄せてみた。
巻頭には、ストーマを題材にした作品を描く漫画家のインタビューが載っていた。
少女漫画の人だろうか。漫画だけではなく、作家や俳優など、いろいろな方面で活動しているらしい。
ストーマになったときのこと。
使っている装具。失敗したときの話。
読みながら、何度もうなずいた。
ああ、そうそう。
そういうことなんだよな、というやつである。
名の知られた人が、自分と同じようにストーマと暮らしている。
それを知ると、なぜか親近感が湧く。
不思議なものである。
誌面には、コロプラストの活動もいくつか紹介されていた。
その中で、おっ、と思ったのが「デコパウチコレクション」という記事だった。
パウチに絵を描く。
たしかに、パウチに柄はない。
ないのなら、自分で描けばいい。
その発想はなかった。
そういえば少し前、カルビーのポテトチップスが白黒のパッケージになった。
その余白に絵を描いた人たちの作品が、SNSで話題になっていた。
味気ないものほど、人は何かを足したくなるものらしい。
パウチも同じなのかもしれない。
もっとも、あの白黒パッケージも、もう終わるらしい。
写真を撮るようになったからだろうか。
こういうアートの話題に、以前より目が行くようになった気がする。
ほかにも、食事のレシピがあった。
ストーマを持つモデルの写真もあった。
SNSを眺めているだけでは、出会わなかった話ばかりだった。
結局のところ、会員になってよかったと思う。
年に三回、届くらしい。
健康だった頃なら、まず手に取らなかった雑誌である。
ホームページを見ると、オンライン版も用意されている。
それでも、紙で受け取れてよかったと思う。
写真は画面ではなく、紙で見ろ。
そんな言葉を聞いたことがある。
たしかに、画面で見るのとは何かが違う。
ページをめくる。
指が紙に触れる。わずかに匂いがする。
そういうことを、しばらく忘れていた。
こういう雑誌を手に取ると、少し感傷的になる。
病気になったことで、知らなかった雑誌が届くようになった。
それを喜ぶのは、どこか不謹慎な気もする。
けれど、ページをめくる時間まで嫌いになる必要はないのだと思う。
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